知っておきたい基礎知識と、切らずに治す最新の選択肢

戸塚共立第1病院
戸塚共立第1 病院 甲状腺外来
昭和医科大学横浜市北部病院 甲状腺センター長・特任教授
福成 信博(ふくなり のぶひろ)医師
専門分野
内分泌外科・甲状腺超音波・インターベンション治療
資格
日本外科学会専門医・指導医/日本消化器外科学会専門医
日本甲状腺学会専門医・専門医試験委員
日本内分泌学会代議員・編集査読委員
日本内分泌外科学会理事・評議員・専門医・名誉会員
日本乳腺甲状腺超音波診断学会(JABTS)名誉特別会員
日本甲状腺Intervention研究会理事長
臨床神奈川甲状腺検討会代表世話人
はじめに
はじめまして。戸塚共立第1病院で水曜日の甲状腺外来を担当しております福成信博です。私は普段は昭和医科大学横浜市北部病院で甲状腺センター長を務めておりますが、ここ戸塚の地でも、地域の皆様の甲状腺の健康を見守らせていただいています。
健診や人間ドックで「甲状腺にしこり(結節)があります」と言われると、どなたでも「がんなのではないか」「すぐに手術が必要なのか」と強い不安を感じられるものです。しかし、甲状腺のしこりは決して珍しいものではなく、実は多くの方に見られるものです。まずは正しく知ることから始めてみましょう。
①しこりの正体は?
甲状腺の中にできた細胞の塊を「甲状腺結節(こうじょうせんけっせつ)」と呼びます。大きく分けて3つのパターンがあります。
良性腫瘍
最も多いケースです。周囲に広がったり転移したりすることはありません。
嚢胞(のうほう)
中に液体が溜まった袋状のものです。多くは良性です。
悪性(がん)
治療が必要になりますが、甲状腺がんは進行が非常にゆっくりしており、予後が良い(治りやすい)ものが多いのが特徴です。

②どのような検査をするの?
しこりが見つかったら、まずは「治療が必要なものかどうか」を正確に診断します。
超音波(エコー)検査
痛みはなく、しこりの大きさや形を詳細に観察できます。
穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)
超音波で確認しながら細い針で細胞を採取します。良性か悪性かを判断するための、最も信頼性の高い検
査です。
③進化する治療法:切らずに治す「RFA(ラジオ波焼灼〈しょうしゃく〉術)」
これまでの甲状腺治療は、手術で「切る」か、そのまま「様子を見る」かの二択が主流でした。しかし近年、良
性腫瘍や一部の微小がんに対して、身体への負担を最小限に抑える新しい選択肢が登場しています。それが
「RFA(ラジオ波焼灼術)」です。
超音波で見ながらしこりに細い針を刺し、ラジオ波の熱で腫瘍をピンポイントに焼き固める治療法です。
・首に傷跡が残らない(針を刺すだけです)
・甲状腺の機能を温存できる(術後に薬を飲み続けるリスクを減らせます)
・体への負担が少ない(局所麻酔で行えるため、早期の社会復帰が可能です)
④私たちが大切にしていること
甲状腺のしこりは、たとえ良性であっても、放置することで「いつか大きくなるかも」という不安や、首の違和感が積み重なり、生活の質を下げてしまうことがあります。
私たちは、最新の診断技術と多彩な選択肢をもって、患者様一人ひとりに最適な「見守り方」や「治し方」を提案することを大切にしています。「何ともないだろう」と放置したり、逆に「がんかもしれない」と過度に恐れたりする必要はありません。
⑤最後に
「しこりがある=すぐに手術」という時代ではありません。
患者様のライフスタイルやご希望に合わせて、納得のいく道が必ず見つかります。まずは専門の外来を受診し、確かな診断を受けることから始めてください。皆様の健やかな毎日のために、私たちは全力でサポートいたします。



戸塚共立第1病院 甲状腺外来のご案内
甲状腺外来は、毎週月曜日(午前:予約制/午後:予約優先)および水曜日(午前:初診・検査のみ完全予約制/午後:再診のみ予約制)に診療を行っております。福成医師(水曜日午前:午後担当)・中野医師(月曜日午前担当)・塚本医師(月曜日午後担当)を中心に、甲状腺疾患に関する幅広い診療を行い、地域の皆さまの健康をサポートしております。
予約制のため事前にお電話で予約をお取りください。

