
戸塚共立第2病院
戸塚共立第2病院
名誉院長
饗場 正宏(あいば まさひろ)医師
専門分野
心臓血管外科
下肢静脈瘤治療
胸部・腹部大動脈ステントグラフト治療
資格
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術指導医
大腿動脈ステントグラフト実施医
腹部ステントグラフト指導医
昭和大学藤が丘病院兼任講師(心臓血管外科)
日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医、胸部ステントグラフト実施医
日本外科学会専門医・指導医、日本胸部外科学会認定医・指導医
心臓血管外科専門医、心臓血管外科専門医修練指導医、脈管専門I医
【特集】戸塚共立第2病院の循環器治療
戸塚共立第2病院(以下当院)は、2000年の開設以来、循環器診療を専門的に行うべく、病院設備と診療科(循環器内科・心臓血管外科)をそろえています。現在、当院の循環器診療は、循環器内科医4名、心臓血管外科医2名の常勤医体制のもと、両診療科が連携して循環器センターを設立し、協力して診療にあたっています。
その中で心臓血管外科では、手術治療を中心に、心臓や血管の病変部位を人工物や自家組織を用いて直接修復、あるいは置換(交換)します。そのため、病気のある部位に到達するために皮膚を大きく切開する必要があり、輸血を含む侵襲的治療(身体に負担のかかる治療)が必要です。
この約10年間で医療技術や医療機器(デバイス)が進歩し、心臓血管外科手術においても低侵襲手術が普及してきました。さらに近年では、デバイスの進化により、手術はさらに低侵襲なものとなっています。
私は当院において主に血管外科手術を担当しており、現在、二つの低侵襲手術を行っています。その一つが、腹部および腸骨動脈瘤に対するステントグラフト内挿術です。本治療は、ステントと呼ばれる金属製の骨格とグラフト(人工血管)を組み合わせた医療機器を、足の付け根の動脈からカテーテルで病変部まで挿入し、拡張・固定することで、動脈瘤に血圧がかからないようにし、破裂を予防する治療法です。以前は皮膚を切開して動脈を露出させる必要がありましたが、現在では止血デバイスの進歩により、穿刺のみで施行できるようになりました。そのため、皮膚に残るのはカテーテ
ルを通した穴の跡しか残らず、術後の痛みもほとんどありません。
二つ目は、下肢静脈瘤に対するグルー(接着剤)治療です。これは、医療用接着剤であるシアノアクリレートをカテーテルで静脈内に注入し、血管を詰めて血液の逆流を防ぐ治療法です。下肢静脈瘤の治療は、従来の静脈抜去術(スト
リッピング手術)に代わりレーザーや高周波を用いたカテーテル焼灼術が標準的に行われてきましたが、皮膚や筋
肉のやけどを防ぐため、焼灼する血管の周りへの麻酔注射が必要でした。また、血管内に生じた血栓の移動を防ぐ目的
で、術後には弾性ストッキングの着用が必須とされていました。しかし、グルー治療はそのどちらも不要で、カテーテルを刺入する部位を局所麻酔するだけで簡便に行えるようになり、術後の痛みもありません。

このように低侵襲治療は患者様にとって多くの利点があり、当院の循環器センターでは血管外科に限らず、今後も患者様一人ひとりの病態に適した低侵襲治療を積極的に取り入れてまいります。
