「バセドウ病」と「橋本病」

戸塚共立第1病院
戸塚共立第1 病院 甲状腺外来
昭和医科大学横浜市北部病院 甲状腺センター・外来
中野 賢英(なかの まさひで)医師
専門分野
内分泌外科・一般外科・甲状腺超音波
資格
日本外科学会専門医
日本甲状腺学会専門医
日本内分泌外科学会専門医
がん治療認知医
日本DMAT隊員/臨床研修指導医
はじめに
毎週月曜日午前に、戸塚共立第1病院で【甲状腺疾患】の外来を行っている中野賢英と申します。新しい
年を迎え、春の訪れも感じられる頃となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。体調に変化を感じた
り、健康面で少し不安を抱いたりしている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、甲状腺疾患の代表的な病気である「バセドウ病」と「橋本病」について、症状や検査、治療のポイ
ントをわかりやすくお伝えします。
甲状腺とは?
甲状腺はのど仏のすぐ下にある臓器で、ホルモンを作ることが仕事です。このホルモンにはいろいろな働きがありますが、「体を元気にし、活動をサポートする」役割を担っています。例えていうなら、甲状腺は車のアクセルのようなもので、踏み込みすぎ(増えすぎ)ても、戻りすぎ(減りすぎ)ても、体に不調をきたしてしまうため、異常がみられた場合はしっかり診断をして治療を行う必要があります。

「バセドウ病」について
まずは甲状腺ホルモンが増えてしまう病気の代表である「バセドウ病」についてお話します。
のど周りが大きくなる病気、目が出て大きくなってくる病気などのイメージで病名を知っている方もいらっしゃるかもしれません。「バセドウ病」とは、免疫の異常により甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモンが作られすぎてしまう病気です。ホルモンが増えることで体が元気になりすぎてしまい、動悸や発汗、強い疲労感、体重減少などが生じます。
また、目の奥の脂肪や筋肉に炎症が起きることで、いわゆる眼球突出という症状がでます。以前は特殊な検査を行って診断する必要がありましたが、現在は主に血液検査と超音波検査で診断することができます。ほとんどの患者さまがお薬で治療を受けられていますが、副作用のためお薬を継続できない時や、薬の量を増やしても甲状腺ホルモンの値が改善しない時、急いで甲状腺ホルモン値の改善が必要な時などには、状況に応じて、放射線治療や手術を行う場合もあります。
さらに、甲状腺が著しく大きくなり、圧迫症状がみられる場合にも、これらの治療が検討されます。担当医とよく相談して、ライフスタイルに合った治療法を選ぶことが大切です。
「橋本病」について
続いて「橋本病」についてお話します。「橋本病」は甲状腺ホルモンが減ってしまう病気です。甲状腺の慢性的な炎症により、ホルモンを作る能力が落ちてしまいます。
8割ほどの方は甲状腺ホルモン値を正常範囲内に維持できますが、甲状腺ホルモンが減ってしまうと無気力、疲労感、体のむくみ、便秘、コレステロール値が上がるなどの症状が出てきます。
こちらも血液検査、超音波検査でほとんどの場合は診断可能であり、甲状腺ホルモンが不足した場合には、お薬で補うことで治療を行います。
甲状腺が大きくなったり、またリンパ腫という腫瘍が生じた場合などは、放射線治療や手術を必要とすることもありますので、治療が必要ない場合でも定期的な通院と検査をお勧めしています。

最後に
甲状腺ホルモンの異常によって生じる「バセドウ病」と「橋本病」についてお話してきましたが、少しイメージしていただけましたでしょうか?
いずれも適切な診断と治療によって、つらい症状を劇的に改善し、生活の質を高めることができる病気です。気になる症状がありましたら、ぜひ主治医の先生にご相談の上、お気軽に甲状腺外来をご受診ください。
戸塚共立第1病院 甲状腺外来のご案内
甲状腺外来は、毎週月曜日(午前:予約制/午後:予約優先)および水曜日(午前・予約制)に診療を行っております。
福成医師・中野医師・塚本医師を中心に、甲状腺疾患に関する幅広い診療を行い、地域の皆さまの健康をサポートしております。
予約制のため事前にお電話で予約をお取りください。
☎045-864-2501
福成 信博 医師(ふくなり のぶひろ)
専門分野:内分泌外科・甲状腺超音波・インターベンション治療
資格:日本外科学会専門医・指導医/日本消化器外科学会専門医
日本甲状腺学会専門医・専門医試験委員
日本内分泌学会代議員・編集査読委員
日本内分泌外科学会理事・評議員・専門医・名誉会員
日本乳腺甲状腺超音波診断学会(JABTS)名誉特別会員
日本甲状腺Intervention研究会理事長
臨床神奈川甲状腺検討会代表世話人

