慢性鼻炎ってどんな病気?

慢性鼻炎ってどんな病気?

戸塚共立第2病院 耳鼻咽喉科
竹本 直子(たけもとなおこ)院長

専門分野
耳鼻咽喉科一般/中耳炎(急性・慢性)/扁桃疾患

資格
日本耳鼻咽喉科学会専門医

趣味
ペットと過ごすこと。犬・猫好きです!犬 1 匹、猫2匹を飼っています。

この度、戸塚共立第2病院は 4 月 1 日付で竹本直子が院長に就任することになりました。職員一同、より一層患者様のため、地域医療に貢献していく所存でございます。引き続き当院の運営にご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

慢性鼻炎とは?

慢性鼻炎は、鼻水や鼻づまり、のどに鼻水が流れる「後鼻漏(こうびろう)」などの症状が長く続く病気です。鼻炎にはいくつか種類があり、大きく「感染性」「アレルギー性」「非感染性・非アレルギー性」に分けられます。その中で、慢性鼻炎は「感染性」に分類されます。

  (表1)

慢性鼻炎と副鼻腔炎の関係

風邪が治った後も、鼻の粘膜に炎症が残ることがあり、多くの場合「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」を伴っています。そこで、慢性鼻炎と副鼻腔炎をあわせて説明します。
副鼻腔は、鼻とつながっている空洞のことで、左右に4つずつ(合計8つ)あります。(図1)

これらの副鼻腔は「自然口(しぜんこう)」という通り道で鼻とつながっています。しかし、炎症が長引くと、この通り道の粘膜が腫れて塞がり、副鼻腔の中に鼻水や膿(うみ)が溜まってしまいます。

(図1)

副鼻腔炎の症状

鼻の中の観察やX線・CT検査を行います。

治療方法

まずは、薬による治療を行います。
マクロライド系抗生物質(少量を長期間服用)去痰剤(たんを出しやすくする薬)抗アレルギー薬(アレルギー性鼻炎がある場合)また、次のような処置も効果的です。
生理食塩水での鼻うがい(ぬるめの温度がおすすめ)耳鼻科での吸引やネブライザー治療3か月間治療しても良くならない場合は、手術を検討します。

日常生活で気を付けること

  • しっかり食べて、よく寝る(体力をつける)
  • 生活リズムを整える(自律神経を安定させる)
  • 生活リズムを整える(自律神経を安定させる)
  • 鼻の入り口にワセリンを塗る(乾燥を防ぐ)

難治性の「好酸球性副鼻腔炎」

最近、「好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)」という、治りにくい副鼻腔炎が注目されています。これは、鼻の中にポリープができたり粘り気の強い鼻水が出る、また喘息を伴うことが多いのが特徴です。(2015年から難病指定)通常の副鼻腔炎(非好酸球性副鼻腔炎)との違いを表にしてみました。(表2)

老人性鼻炎

最後に老人性鼻炎について少し触れます。高齢の男性に多くみられ、透明で水っぽい鼻汁が多く出ますが、くしゃみや咽頭痛などの風邪症状がない、温かいものを食べると出やすい、という特徴があります。
原因はまだはっきりしませんが、次のようなことが関係していると考えられています。

  • 自律神経の変化
  • 鼻粘膜の萎縮
  • 鼻の線毛の動きが悪くなる(鼻水をのどに流す働きが弱まる)
  • 鼻の粘膜の水分を保持する力が低下する

対策

マスクをして乾燥を防ぐ
足湯をして体を温める(鼻粘膜の血流をよくする)
ぬるめの生理食塩水で鼻うがいをする

最後に

日常生活で、 鼻汁や鼻づまりが続いたときは上記を疑って、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
何か気になる症状がある場合は、戸塚共立第2病院の耳鼻咽喉科をご受診ください。