就任して3ヶ月

就任して3ヶ月

戸塚共立ステーションクリニック
院長 向井 一光(むかい かずみつ)
座右の銘:「生々流転」

戸塚共立ステーションクリニックの院長に就任した向井一光です。院長に就任して3ヶ月ですが、前院長の戸塚大輔先生から承継が滞りなく遂行できるよう日々邁進しています。私が昭和大学腎臓内科に入局した当時、戸塚前院長は腎臓内科の講師で、また医局長をされており、その当時臨床上医師としての基礎や腹部超音波検査などをお教え頂いたり、また退局された後も何度か食事会(飲み会)に誘って頂けるなど公私ともお世話になっていました。赴任して最も感じることは、私が臨床研修医時代に受けた心象と同じで、知識、経験、技術、医師としてのあるべき姿を今も私に指し示して頂いています。
 まだ私が医師となり数年目の2000年頃に非常勤で戸塚共立第1病院に勤務したことがありますが、その当時と比較して現在の戸塚の地は隔世の感があります。駅前の昔懐かしい商店街は大きな商業ビルとなり大きく変わった一方で、駅前からの風情は昔と変わらず賑わいがあって、戸塚共立第1病院も勤務した当時のまま変わらず、またこの土地に来たことを改めて感じさせてくれます。そのようなダイナミックな変化と、昔と変わらず残っているものの混在が、戸塚の地の魅力だと思います。それは、私が知っている戸塚共立第1病院の地下にあった透析室が、ステーションクリニックに発展した経緯と重ね合わせて考えると、このクリニックにも同じ活力を感じています。

また当クリニックでは、昭和大学腎臓内科名誉教授で恩師の杉崎徹三先生も診察を行っています。当院は未だ紙カルテでしたが、私が臨床研修医時代に見ていた杉崎先生のあの達筆なカルテの文字を現在毎週拝見しており、それはまるで30年近く前に戻ったかのような感覚になります。杉崎先生の思い出と言えば、私の学位論文作成が遅れていた事もあり鎌倉のお住まいにまで招かれ、論文を仕上げた暑い夏が思い出されます。暑い最中、大量の汗をかきながら文字をパソコンで打っては訂正、打っては訂正を繰り返し、ようやく完成した事が思い出されます。最後まで私を見放さずに面倒をみて頂いたあの夏の杉崎先生と、今も変わらず診察に臨まれ、参考となる論文を私に読むように指導して頂いている現在の杉崎先生のお姿が重なっています。
 一方で透析治療も同様に30年前とは大きく発展しました。透析に使う水は超純水になり、online-HDF(血液ろ過透析)が当たり前となった現代に、この戸塚の地で透析医療を行っています。古き良きものと新しきもの、それらが合わさり混在し、それがパワーとなっているこの戸塚に赴任できたことはとても有難く、私は諸先輩方とともに戸塚共立ステーションクリニックをさらに発展させていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。