消化器内視鏡検査について

戸塚共立第1病院 消化器センター
消化器内科
高木 めぐみ(たかぎ めぐみ)医師
資格
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本消化器学会 消化器病専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医/日本内科学会 総合内科専門医/日本医師会認定産業医/日本がん治療認定医機構がん治療認定医
座右の銘
患者さまに寄添う内視鏡
はじめに
戸塚共立第1病院・消化器センター所属の高木めぐみです。
昨年の12月に、「胃がん・大腸がんで命を落とさないために―内視鏡のお話―」というタイトルで地域医療公開講座を開催しました。死因の第1位は悪性腫瘍であり、悪性腫瘍の中で最も罹患数が多いのが大腸がんであり、死亡数は第2位となっています。
そこで大腸がんで命を落とさないために、今回はその公開講座でお話した内容からお届けします。


大腸がんの早期発見・予防に最も有効なのが大腸内視鏡検査で、まずは病変を見つけることが重要です。
大腸内視鏡検査を受けることで、大腸がんを発見し内視鏡的に治療をする場合もありますし、前がん段階のポリープを発見、治療することもできます。
大腸内視鏡検査とは?
大腸内視鏡検査はつらいと聞いて、不安が強い方もいらっしゃると思いますが、当院では苦痛の少ない内視鏡検査のために、鎮痛・鎮静剤を積極的に使用しています。私自身、今まで諸先生方が考案された『水浸法』と『無送気軸保持短縮法』の良いとこどり(ベストの部分)である水の中でスコープを滑らせ短縮させる、そして盲腸到達まで送気をしない『水浸軸保持短縮法』という独自の挿入法の内視鏡検査を行っています。この検査は患者さんの苦痛も少なく、比較的短時間の安定した手技の大腸内視鏡検査になります。

大腸の内視鏡は盲腸に到達してから詳しい観察が始まるため、盲腸到達時間はある程度の指標となり、この一年間で私が施行した814件の大腸内視鏡検査での盲腸到達時間の平均は6分弱となっています。(図1)

内視鏡治療とは?
当院の大腸ポリープの治療として、鉗子やスネアで切り取るコールドポリペクトミー、粘膜下に局注し、高周波を用い、スネアで電気メスのように切り取る内視鏡的粘膜切除術、粘膜下層剥離術を多数行っています。
治療後大腸がんが粘膜下層の深い部分まで浸潤している場合には当院で外科的追加治療を受けることができます。

胃がんの死亡数も多いのですが、やはり内視鏡検査を受けて、病変を見つけ治療につなげることが重要です。

当院では胃がんの内視鏡的治療(粘膜下層剥離術)も積極的に行っております。ぜひ多くの方に内視鏡検査を受けていただき、胃がん・大腸がんで命を落とす方が一人でも少なくなるように検査治療にあたっていきたいと思います。
戸塚共立第1病院の消化器センターのご案内
各種専門医資格を有する経験豊富な常勤医師が在籍しており、術前から術後まで消化器疾患の患者さまをトータルに診ることができます。
戸塚共立第1病院では、消化器専門の常勤医を中心に、予約や紹介よる日々の検査から夜間休日の緊急検査など、あらゆる場面に対して適切な内視鏡診断・治療を提供できるよう努めており、平成23年12月より、日本消化器内視鏡学会認定の指導施設として新たにスタートしました。
また大腸がん検査・治療・手術も積極的に行っておりますので、当院への受診を心よりお待ちしております。